【書評】推し活が世界最高の健康法なのかも知れない「人類にとって『推し』とは何なのか」
読まないわけにはいきませんでした。
「人類にとって『推し』とは何なのか、イケメン俳優オタクの僕が本気出して考えてみた」横川良明 著
連日TwitterのTL(タイムライン)を流れてくるこの本の表紙。
そりゃそうだ。私のTLに並ぶのは風民ばかりだから当然です。
風民とは熱狂的な藤井風のファンのこと。
つまり風氏が私達にとっての「推し」なのです。
この本は37歳の独身男性である横川良明氏が書いた「推し」についての話題の書です。
「推し」とはなんなのか。
「推し」を推すことの何がいいのか。
「推し」がいることと「推し」がいないことの違いとは何か。
その他、細かいオタクの生態についてユーモラスに書かれた実に明るい本です。
「推し」を持ち日々「推し」と共に生きている私にはほぼ共感できる内容でした。
例える表現がバラエティに富んでいて飽きることなく最後まで読めました。
そして健康ブロガーを志している私は
「推し活」が最高の健康法だという結論に達しました。
しかし一部賛同できない内容もあったので、順に述べて行きます。
(グレーの文字の見出しはすべて引用です)
【共感しまくり】「推しが評価されたら自分のこと以上に泣ける」
すごいポテンシャルがあるのに日の目を見ない人を見つけると『もっと評価されるべき』と思ってしまう
まったくです。
私の推しは日の目は見てるしほぼ絶賛しかされない洋々たる前途のミュージシャンですが、それに見合った知名度はまだ獲得していません。
私自身は(たいして)評価されなくていいですからどうか推しを褒めてください。
推しを評価して。
推しの音楽は最高だから。
推しは天才だから!
なんなら何か私にお礼を言いたいという人に
「お礼はいいんで風くんを褒めてください」と言いたい。
自分を褒められるより、推しを褒めてくれる方がずっと心地いいんで。
「藤井風の音楽は何十年も残るだろう」とか言われたら「ご飯おごらせてーーー!」って感じです。
【疑問】「複数推しは推し活における最大のリスクヘッジ」
そこで複数推しをしておくと、ある推しの露出が少なくても、別の推しがカバーしてくれるので
偶然出会った唯一の推しなのに
また同程度の存在に出会えと?
横川さん、どうやって2人目の推しを見つけるんですか?
私にとって推しとの出会いは晴天の霹靂でした。
常に新しい音楽に飢えていて「おススメのバンド」とか読んだらすぐYouTubeに聴きに行くタイプの人間ですけど、だから推しとも出会ったんだけど、それでもこの出会いはミラクルです。探して見つかるものじゃない。その点は恋愛と似ています。
一体どうやったら他の推しと出会えるっていうんでしょうか。
引き続きずっと若いミュージシャンを探し続けろってことですか?
イヤです。
他の音楽聴く暇なんかないです。
私、ずっと推しの歌を聴いていたいんです。
あの「偉そう」だか「甘い」んだか「切ない」んだか「スエードみたい」だかわかんないコロコロ変わる声を聴いてたいんです。
聴いてると脳内でドーパミンがドパドパ出て快感なんだもん。
色っぽいんだもん。
他の音楽なんか聴きたくないんだもん!!!
【微妙】「推しが売れた瞬間が、僕にとっての担降り期。推しからの卒業シーズンなのです」
推しが天下をとったら、そっと域を出るオタク人生
推しが連日トレンド入りするような超有名人になったら、私は「降りよう」と思うのだろうか。
思わないと思います。
私は推しがグラミー賞を
獲る瞬間を観たいんです。
その才能と美貌を世界に見せつける一瞬を、この目で確かめたいんです。
絢爛豪華な授賞式で名前を呼ばれる推しを見ながら
「ね?私の推し、すごいでしょ。でもあなたたち日本語わからないから(私は英語わからないけど)風くんが岡山弁で『わし』とか『じゃけん』とか『やこー』とか言う可愛さ、分かんないよね。残念だったねゴメンね!」
とブツブツ言いながらシードルを飲みたいです。
一番楽しい時期って、まだ推しがブレイクするちょっと前くらいな気がする
今だーー!!!!
【超共感】「オタク友達ができると、推し活はもっと楽しい」
推しの何がそんなにいとおしいのか。まわりの目など気にせず語れる相手がいるだけで、推し活の潤い具合は段違い。
藤井風ファンは「風民」と呼ばれます。
(正式名称は「バラベレン民」です)
風民の友達は「風友」。
藤井風を想う気持ちを表すのは「風愛」という単語で、みなさんご存じです。
(自分がこれらの単語を使うとは思ってもみなかったけどね)
そんな人たちと毎日Twitterで(Instagramの場合もある)推しの話をしていると世界中が藤井風ファンなような気がしてしまう。
それぐらい推しの情報と推しへの愛情で溢れます。
どんなに楽しくて満ち足りた日常か。
ライブの前には集まって皆で推しの話で盛り上がり、お互いの愛を披露しそれぞれを讃え合います。
ライブの後には一緒に餃子食べながらスパークリングワイン片手に「今日の推し、異常にカワイかったよね、何なのあれ」とか言っちゃいます。
年齢も職業も住んでいる場所も違うのに、推しへの想いだけで繋がれるオタク友達。
みんな推しの類い稀なる才能と真摯な人柄とかわいらしさを発見した目利きです。
その慧眼には感服するしかありません。
そんな人たちと集える幸福は、ちょっとした奇跡。
【賛同できない】「推しに見返りを求めたら地獄の始まり」
はっきり言って、オタクをやっていて見返りなどあるわけがないのです。どれだけ身銭を投じようと、一銭のリターンもない。見返りを求めるならコツコツNISAでもやった方が断然いい
横川さん、何を言っとるんですか。
ください、くださいばっかで!(注:1)
推しのためにお金を使うって例えば「ライブに行く」とか「CDを買う」とか「グッズを買う」ってことですよね。
ライブが¥7,000だったとします。そのライブが素晴らしいもので¥7,000の価値が充分にあればなぜそこに「リターン」を求めるのでしょうか?
そもそも推しに課金する理由は、もう既に多くのモノをもらっているからです。
見返りなんぞいるわけがない。
私が推しからもらったモノがどれだけ大きいか。
どれだけ推しに感謝しているか。
推しがどれだけの幸福を私にくれたか。
そこに「リターン」???
何を言っとるんですかね。
与えられるものこそ
与えられたものですよ!(注:2)
すいません、私理解できないんで。
もし「私理解できまーーす」という読者の方がおられたらコメント又はTwitterで教えてください。
いくら自分のすべてをなげうったところで絶対に推しは自分のものにはならない
当たり前です。横川さん、何をおっしゃっているんでしょうか。
自分のものになるならそれは「推し」ではない。
それは「恋愛対象」と言うのです。
「推し」をまるで隣の男子校のバスケ部の主将みたいに言わないでください。
絶対に自分のモノにならないから尊いんですよ。
自分のモノになるような庶民的なモノではないのよ、推しは。
日本を代表するような、世界中に名を轟かすような人ですよ、推しは。
横川さん、あなた何ごちゃまぜにしてんのよ。
まるで「隣のビルに入ってる楽器店のピアノ弾くイケメン店長がかっこいい」みたいに言うなーーー!!!
その辺のお兄ちゃんと同じじゃないから!
藤井風の「わし」をその辺の「おれっち」と同等みたいに言うなー!
藤井風の「わし」は松山ケンイチの「わい」みたいな高尚な一人称だから!
絶対に自分のモノにならないから、遥か彼方にいる推しに憧れることができるんです。
「もしかしたら自分のモノになるかも知れない推し」?
そんなモノ、何の価値もないです。
【感激】「推しの良さを表現するために、なりきれ三島由紀夫」
言葉は、私たちが推しに贈れる一番のプレゼント
(「藤井風は心理学を駆使してファンを洗脳する知能犯」みたいなも入るのかどうかは知らないけど)
ごめん!横川さん、ごめん!
あなたが誰より私のことを理解してくれていました!
これからもずっと推しのことを言葉にします。
文章が私の愛だから。
綴った言葉の量がそのまんま推しに捧げる
私の愛のすべてだから!
【まとめ】「いろんな予定の積み重ねが、僕を延命させてくれている」
「予定」ができるだけで人生の彩度がめちゃめちゃ上がる
推しのことを考えていたら他のことを考える余裕がなくなるんです。
推しってカッコ良くて可愛いでしょう?
他のことなんか眼中にないに決まってるじゃないですか。
「明日、火曜だっけ、資源ごみ出さなきゃ」
考えることなんぞこれくらいでいいんです。
未来のことなんか考えても誰にも分かりません。
幸せについて考えても人は幸せにはなれません。
人間、推しのことだけ考えていればそれで充分なんです。
さだまさしのように生きる苦しみ&老いていく悲しみ&春の死と秋の死について考える暇はないんです。
推しの次の予定とそれに対応して行くことで頭がいっぱいなんです。
私が推しを想像して幸せになれる理由。
それは推しが長身で美声で希代の作曲家で愛らしいからではありません。
好きだからです。
推しとは好きな相手。
彼のライブに行くために体調を整えなきゃならんのです。
大切なのは細かい健康知識よりも「生きる目的」。
推し活は健康へのパスポート。
「推し活」とは至上の健康法なのです。
ポチあいこ、驚愕のプロフィールはこちら
歌詞の引用
注:1 「ください ください ばっかで」 藤井風『帰ろう』より
注:2 「与えられるものこそ 与えられたもの」 藤井風『帰ろう』より
Gerd AltmannによるPixabayからの画像と
McElspethによるPixabayからの画像と
Victor VoteによるPixabayからの画像と
StockSnapによるPixabayからの画像と
Gerd AltmannによるPixabayからの画像と
Free-PhotosによるPixabayからの画像と
diapicardによるPixabayからの画像と
Ana KrachによるPixabayからの画像を使用しました。
“【書評】推し活が世界最高の健康法なのかも知れない「人類にとって『推し』とは何なのか」” に対して2件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。
ナツメ様
初めまして。突然失礼いたします。
私、久美ママと申します。
今、「推活 藤井風」で検索したところ、ナツメ様のブログ?に、「風民」とあったので、興味を惹かれ拝読し、ハマりました!
昨年のCMで「きらり」を耳にした時、この曲カッコいい!サイコー♡と痺れました。
でも、誰が歌っていたのかなんて、それほど気にしてなかったのですが、今年の夏の終わり頃にdocomoのCM「grace」を目にし耳にした途端、「風❤️」に溺れている日々を送っています(笑)
以来、毎日YouTubeで風くんの楽曲に触れて、まるで天国にいるかのような幸せを感じながら「風」の嵐に心揺さぶられています。
昨日、一昨日の大阪公演、とにかく無事に成功裡に終わりますようにと、願っておりましたよ。もう、遠い親族の1人‥のような気持ちです。
ナツメ様が「推し活こそ、至上の健康法」と仰る意味がよ〜く分かる歳に至っております。
力になりました。ありがとうございます。
久美ママさん、こんにちは。返信遅くなってゴメンなさい。
なつめ食堂管理人のポチあいこと申します。
16日にパナソニックスタジアムの風くんのライブに参加して帰って来てバタバタグッタリしておりました。
久々にこの記事を読み直してビックリしました。
「(風くんは)まだ知名度は獲得していません」って書いてました。
きらりちゃんが出る前に書いたんですね、これ。
今や風くんはスターです。
大スターなのかも知れません。
久美ママさん、graceで風くんにハマったんですね。
ありがとうございます!(推しなんで!)
私、内臓疾患と更年期障害でヘロヘロで一度は諦めたパナスタでしたが、
色々治療したりしてたら最後にスタンド席が当たったんで急遽行ってきました。
素晴らしかったですよ!
これ↓私が作ったYouTubeのパナスタgrace集の再生リストです。
もし良かったらご覧になってください
「推し活こそ、至上の健康法」です♪♪
https://youtube.com/playlist?list=PLUIOhNakmWBHg2kPQ0OgIQKtgEL79Ls53