藤井風くんの「damn」の英語詞を解説してもらいました
「藤井風英語曲問題を考える」第2弾
第1弾 「風くんに置いていかれる私へ」はこちら
pic:Fujii Kaze Twitter
映画「東京2020オリンピック」メインテーマ曲「The sun and the moon」が発表されました。いよいよ風くんのオリジナルの英語曲が聴けますね。
その前に「LOVE ALL SERVE ALL」より「damn」の英語詞について学んでみませんか?
解説してくれたのは、
めぐだんごさん(@megamimegumi2 )、
Lollipopさん(@lasucette4 )、
vanillateaさん(@vanillatea19 )のお3人です。(順不同)
私ポチあいこ(@pochiaiko )が聞き役です。
damn damn don’t give a damn
just love in my head
(hey little father won’t u come with me)
we’ll just dancing away
from bullshits ahead
(‘kay it’s okay yeah we gotta believe)
だんだん近くなったわたしへ
どうしようか
どこいこうか
あぁ幸せってどんなだったけな
思い出そうか
愛してくこの先ずっと
守ってく明日もずっと
i love me, and i
will keep him in a
safest fairest happiest place baby作詞作曲:藤井風「damn」より抜粋
最初から解説してもらおう
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「damn」って本来は結構強めの言葉だけどここでは「ちっ」とか「ったく」みたいな感じに使われてると思う。 「don’t give a damn」は「関係無いね」とか「ど〜でもいいさ」とかいう感じよね。 |
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ふむふむ。 |
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「just love in my head」は「愛があればさ」 |
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ほうほう。 |
ここでポチあいこ、どうしてvanillateaさんが「just love in my head」を「愛があればさ」と訳したのかわからず困惑する。「in my head」はググると「頭の中で」のような意味だ。
質問するとLollipopさんから返答あり。
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「愛のことしか(just)(頭には)ない」 |
なるほど・・・ニュアンスをつかむのは難しい。
話は戻って
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「little father」はハイヤーセルフかな? hey littler father won’t you come with me は won’t you=will not だから 「little father、一緒に来ない?」 一緒に来ない? 一緒に来ませんか? みたいなニュアンスかなって思う。 |
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ふむふむ。 |
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bullshits も軽めに使われてる気がする。 |
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「we’ll just dancing away from bullshits ahead」 「ダンスするみたいにこれから来るやな事から遠ざかって行こうよ」みたいな。 dancing away = ダンスするみたいに進む bullshits ahead = 前にある(これから来る) bullshits |
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ほおおお! |
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‘kay it’s okay yeah we gotta believe= 「okay it’s okay yeah we have to believe」 だよね。 「わかったわかった信じるよ」とか 「オーケー オーケー信じるよ」って感じ? |
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ふむふむ!じゃあメッチャ軽いノリなのね。 |
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i love me, and i will keep him in a safest fairest happiest place baby 「自分を愛してhim (=ハイヤーセルフ=自分自身)を安心安全なとこに守ってくよ」 って感じ? |
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ほおお。いつも風くんが言ってることだわ。 |
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言わんとしてる事は結構重めだけど曲調とかで出来るだけpop に仕上げた曲だよね。名曲。 |
「little father」を深堀りしてみよう
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私の中では理想と現実の間で上手く行かない自分に「くっそーっ!」って葛藤してる感じを歌ってる歌だと思ってます。 |
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ほうほう。じゃあまたハイヤーセルフってことかしら。 |
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私はそう受け取ってます。ここでは「little father」がそれに当たるのかなぁと。 |
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「little father」がハイヤーセルフってこと? |
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いや私がそういう風に捉えてるだけで一般的にハイヤーセルフの代名詞に使われるかは分かりません。 |
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(でもそもそもハイヤーセルフって単語が一般的じゃないよね笑) |
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ただハイヤーセルフって風さんも言ってたけど、angelとかheroとかgodとか表現してたじゃないですか? |
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いろんな表現で呼んでましたね。 |
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歌詞の中の「だんだん遠くなったあなた」の「あなた」も「だんだん離れてったあなた」の「あなた」も媚びたり惚れたり拗らせた対象もハイヤーセルフ(自分の中にある本来の姿というか負のものに左右されない絶対的な幸福の状態というか)を表しているように感じてます。 |
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ふむふむ。風くんは「あなた」のことを「little father」って言ったり「hero」って言ったりして違う言葉で表現してるってことなのかな。重複して同じ言葉ばかりにならないように。 |
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はい。で、そう言う風に書くと恋愛の歌みたいにも聞こえるからちょっと遊んでるのかな?って。 |
![]() 「little father」=「小さなお父さん」 |
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とにかく私にとってこの曲の解釈がそんな感じなんで、英語詞の部分は、「クソ(って思う位上手く行かないけど)、もうそんなの気にする事ない。愛だけ感じてれば(大事にしてれば)いいんだよ」 「ねぇ、リトルファーザー(自分の中のハイヤーセルフを指して)、一緒に来てくれるよね?この先起こるイヤな事全部、ただ上手く踊るようにかわしちゃえばいいんだよ」 |
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ふむふむ。 |
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「大丈夫、大丈夫。そう信じるんだよ。おれは自分を愛すんだ(大事にするんだ)。自分(自分の中のハイヤーセルフ?幸福な状態の自分?)を一番安全で平等で幸せなところに保っておくんだ」 で、最後のdamnは、フラストレーションを表す「クソが!」って言うニュアンスではなく、最後はポジティブになって来てるから、damn good とか言う感じで、いいじゃん!ってニュアンスのdamnって聴こえます。 |
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ROCK KIDS(ラジオ)でだっけ?で風君、damnは良い時にも使うしって言ってましたね。 |
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そんな感じです。かっこよかったり、すげーって思う時にdamn!って言う感じで言葉としては強い表現なので、小さなお子さんにはあまり聞かせたくない(使わせたくない)言葉ではあるかも。 |
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なるほど 日本でもちっちゃい子にあんまり「クソ!」って言って欲しくないものね。 |
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そうそう。だから風さんが曲のタイトルに使った時はちょっと、お?って思ったけど、若い子たちの間では、そんな大きく問題になる言葉では無いと思うんで。風さんらしいと言えばそうなのかもしれないかなって。 |
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ふむふむ。風くんは日本語だと割と普通というかお上品だけど、英語になると若者言葉になってくだけるらしいねw |
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そうですそうです。流暢にもなるし、若干。 |
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流暢にもなるってにっぽんごは流暢じゃないのねww |
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モチモチ。時におじいちゃん登場、みたいな。英語はまぁもっとストレートだったりするからかもですが。 |
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じゃあ英語の方がスラスラとストレスなく喋ってるように聴こえるんでしょうか? |
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そうですね。 |
![]() 「damn」が使われているコメントを発見。 「damn this song has become Fujii Kaze’s biggest hit so far.」 (この曲は藤井風最大のヒット曲となった)と 書かれていた。 |
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この冒頭の「damn」はどういう感じなんですかね? |
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絶賛してる。「やってくれるじゃねえか!」的な? |
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ほうほう! |
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「まったくも〜」 みたいなね。 |
重めのテーマをポップに仕上げた「damn」
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風くん英語書く時、小文字好きなのよね。 文章の始まりが大文字だと普通で最初から小文字だと軽めになるというか、インスタでの投稿とか「damn」の英語訳詞も全部小文字。他の曲は普通の文だけど「damn」だけは小文字ね。 |
![]() Yaffleさんとのラジオ番組 「J-WAVE SELECTION」で 風くんが語ったこと ●海外のセレブが今めちゃくちゃ小文字を使ってる |
pic:Fujii Kaze Staff Twitter
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風くんの曲って一筋縄じゃいかない感じがいいよね、特にこの曲。 |
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解釈が色々とできるという意味かな? |
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そう、単なるポップロックとしても聴けるし。 |
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意味がよく分からない歌詞も多いし人によって全然違う捉え方をしてそう。何回聴いてもよく分からないw |
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そう、そこよ。作品として世に出したものは 自分の子供みたいな物だけど受け取り手の解釈次第。 そこはもう好きにやっちゃって、ていう感じだと思う。 意味なんか分かんなくてもいいし深く考えたければそれもいいし。 その日の体調とか自分や周りの環境でも聴こえ方、とらえ方変わるものね。 |
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そうですね! |
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だから極端な話風くんの意図もある意味どうでもいいのよ。 |
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じゃあとにかく自由に解釈して欲しいってことかしら。 |
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私はそう思う。だって皆んなが同じ解釈だったら宗教っぽくて怖くない? |
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そりゃあ怖い。 歌詞の意味が分からないと気になってその歌を引きずるのよね。 |
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それはわかる、特に英語だとね。 風くんはインスタとかの文でもさ、英語が最初に出てきてそれを和訳してる感じがする。 |
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インスタでも……w |
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英語表現ノビノビしてる。英語の方が表現しやすいのかも。 |
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vanillateaさんが言うように本当に聴き手次第だし、私が勝手に解釈してる内容ってそれだけ読めばちと重いテーマっぽいけど、それをサラッと歌に忍ばせてる感じがさすが風さんだなぁって思うわけです。 |
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ふむふむ。 |
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LASAっぽく明るくね。聴いてて単純に好きって思える楽曲に仕上がっていて意味を自分なりに考えて聞いた時、曲調とあいまって、明るいだけが取り柄のちょっと不器用な主人公が色んな経験の中でもがきながら自分の幸せを見つけ成長していくコメディドラマの主題歌っぽい!って思った。 |
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重めのテーマをまんま重い曲にしないであくまでも軽くポップに仕上げているのがミソですよね〜。 |
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そうそう。聴きたいように楽しめる。それが風さんの曲の素晴らしいとこ!押し付けがましくないから、自分で意味を感じたらストンと心に落ちる。 damn自体は強めの単語だけど、私が分かりやすいと思ってキツく「クソ!」って連発したけど、vanillateaさんが言うように「チッ!」って感じでもっと軽く受け取ると曲の感じにもっと合うのかな?(若いこの間では特にそんな感じで使われてると思うし) |
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ふむふむ「チッ!」って感じね。 |
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まったく、上手くいかないなぁってね。 |
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色んな風に解釈できるし、どれが本当かは本人のみぞ知るって感じだけど色々と考察するのはおもしろい。曲も良いから、どういう想いで風さんはこの詩にしたんだろうとか、言葉のチョイスとか、知りたくなるよね。 きらりの時の本人解説はおもしろかった。矛盾してるから、そのまま矛盾させてしまおうみたいな。遊び心があるのも好きだし、それでも伝えたいメッセージのところはちゃんと入っていて。どの曲も驚かされるね。 |
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きらり以来AFTER TALKないもんね。 |
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ね、また聞きたいね。リリパでちょっと触れてたけど、もっと聞きたい。でもきっと彼はもう次の曲制作してるんだろうなあ。 |
訳してみました
この対談でvanillateaさんが訳してくれたものをまとめてみました。
damn damn don’t give a damn
どうでもいいさ
just love in my head
愛があればさ
(hey little father won’t u come with me)
リトルファーザー、一緒に来ない?
we’ll just dancing away from bullshits ahead
ダンスするみたいにこれから来るやな事から遠ざかって行こうよ
(‘kay it’s okay yeah we gotta believe)
オーケー オーケー 信じてくよだんだん近くなったわたしへ
どうしようか
どこいこうか
あぁ幸せってどんなだったけな
思い出そうか
愛してくこの先ずっと
守ってく明日もずっとi love me, and i
自分を愛して彼を
will keep him in a
safest fairest happiest place baby
最高に安全で公平で幸せな場所へベイビー
作詞作曲:藤井風「damn」より抜粋
いかがでしたでしょうか?紹介した訳や解説は個人的な解釈です。
英語が苦手なみなさんの参考になれば幸いです。
お忙しい中ご協力くださっためぐだんごさん、Lollipopさん、vanillateaさん、本当にありがとうございました。私達はこの対談を行い、終った後にも「これはもっとこう表現した方がいいんじゃない?」という話し合いを重ねました。みなさんとても真摯で私は胸が熱くなりました。感謝します。
了
(解説者さんたちへの個別の質問はご遠慮ください)
「藤井風英語曲問題を考える」第1段
「風くんに置いていかれる私へ」はこちら
Bのこさん、こんばんは!
そうですよね・・・英語が堪能な事と、それを日本語に的確に訳せるかどうかというのは全く別の話よね。
風くんの英語歌詞、こんなの一つ一つ英単語から調べても私達がLASAの日本語の曲を聴いて感じてるようには感じられない、どうしよう!と思ってこの記事を書きました。
本当は「特にない」の時から作りたかったんですよ~。
全編英語詞になると、どうなるんでしょうね?(ってもうすぐそこにThe sun and the moonが迫って来てるよ)
私も、またこんな機会があればいいなぁと思っています。
いつもありがとうございます。
It’s very interesting.
中学生の時に帰国子女として転校してきた子がいて、英語は当然堪能なのにテストの点数は毎回微妙で「日本語に、どうのように訳していいのかわからない(該当する日本語がわからない)」と言っていたのが印象的です。
私も“そのタイプのファン”なので、意気込んでノートを用意しカバー曲に挑んだはよいけれど、辞書にはない単語とニュアンスに絡まれ予定以上に時間がかかり、その後にやってきた盛り沢山のギフトにかまけてノートには埃が積もりつつあります。
解釈は人それぞれ違うので、ふんわり「こんな感じかな?」と捉えるのが正解なのかなって思いました。全編英語詞となれば、もっと長い内容になるでしょうけど、こんな風に何名かの方たちの捉え方をそれぞれ伺える機会がもしもまたあるなら、ありがたいですね…あいこさん、ありがとうございます(^-^)