【映画評&書評】「すべき」なんてモノはない。生きたいように生きればいいんだ。『かもめ食堂』について

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結婚しなくてもいいし、外国でカフェを始めてもいい。フィンランドでもいい。「べきこと」なんて実は存在しない。(ネタバレなしレビュー)


ブログタイトルを考えていた時、映画をもじったものにしようと思い有名映画のタイトル一覧を眺めていた。そこで目に飛び込んだのが「かもめ食堂」。有名だしシンプルだし食に関するワードが入っているのですぐに決まった。映画を観たのはかなり前なので、最近Amazon Prime Videoで見直した。


映画「かもめ食堂」(2005年・日本)

監督・脚本:荻上直子
原作:群ようこ
出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこなど
配給:メディア・スーツ

あらすじ
サチエ(小林聡美)いう日本人女性がフィンランドのヘルシンキで一人でカフェをやっている。
現地の人は怪訝そうに見ている。
そのうち、ミドリ(片桐はいりという日本人女性が現れ、次にマサコ(もたいまさこ)が現れる。

感想
サチエはなぜヘルシンキでカフェをやっているのか?分からない。
お客さんがほとんど来ないけど、経営はどうなってるの?分からない。
とにかく映画では説明がされていない部分が多く、そこがこの作品の不思議感を醸し出していて独特の魅力を放っている。
そこにやって来たミドリマサコ。全員中年女性だ。
それぞれがいわゆる「お一人様」で事情があって日本から遠く離れたフィンランドという国で出会い食堂に集う。
説明がないけれど、サチエはなんだかすごい。いつも堂々とケロリとしていてミドリマサコもとても頼りにしている。
どこか非現実的な雰囲気が漂う映画だが、見終わるとなんだかスッキリ。
この作品の一番の魅力は「もしかしたらこんなに遠くで生きることもできるかも知れない」という
普段考えてみもしない可能性に想いを馳せることが出来る点ではないだろうか。

映画にはおまじないを唱えながらコーヒーをいれる不思議なフィンランドの男性(おっちゃん)が出て来る。それはマルック・ペルトラ(Markku Peltola)という俳優で、私は一目観たとたん「むむ?カウリスマキ映画に出てくる人!?」と気づいた。
アキ・カウリスマキという映画監督は日本で最も有名なフィンランドの監督であり、作家性が強くファンが多いのだ。
(彼は『過去のない男』というカウリスマキ映画に主演していて独特のオーラを放っているが、今ここに著作権を侵害せずに写真を貼る術を思いつかないので残念だが文章での紹介のみにしておく。)

コーヒーショップ写真


小説「かもめ食堂」群ようこ著


この小説は映画のために書き下ろされたものである。

映画を観た後に原作を読んで、謎がいろいろ解けた。
なぜサチエはヘルシンキでカフェを開いたか?
または開くことが可能になったか?

彼女たちの名前はすべてカタカナで、フィンランドにいる彼女たちは余計なしがらみを纏っていない。
ヘルシンキにいるとただの「サチエ」であり「ミドリ」だ。
それは単なる音としての「サチエ」であり「幸恵」ではないのである。

サチエは自分のしたい事をハッキリと自覚し自らの力のみでフィンランドでお店を始めた強い女性だが、ミドリは何の考えもなしに流されて生きて来た対照的な存在。そしてマサコは自分の力では抗えない環境にいた女性だ。

コーヒーカップ写真

しかしとにかくサチエである。サチエの特異な存在がこの作品の一番の魅力である。
サチエはこの作品中では恋をしていないし恋に興味すらなさそう!

『かもめ食堂』は中年の独身女性がフィンランドでカフェをやっている、という非現実感溢れる設定のためファンタジー要素が強いのだけれど、でもそれはおそらく実現できない夢ではない。それは小説を読むとよく分かる。サチエのように確固たる信念がありリアルに実行出来、運に恵まれたらそれは可能なのかも知れない。ファンタジーは非現実的な世界を描くものだけれど、そこに絶妙にリアルな人間の生活が描かれていると妙な説得力が生まれる。ファンタジーなのに主人公が若くてとびきり綺麗な女の子という訳でもない。どこにでもいそうな普通の女性。親近感が沸く。

突拍子もないことも、もしかしたら実現できるのかも知れない。
常識を疑おう。やりたいことを思い描こう。

こうやって書評を書くと、感想って結局「こう思いたい」って内容になるんですね。
映画を観たり本を読んだりする意味は「自分を知る」ことなのかも知れません。

 

ポチあいこ、驚愕のプロフィールはこちら

【映画評&書評】「すべき」なんてモノはない。生きたいように生きればいいんだ。『かもめ食堂』について” に対して5件のコメントがあります。

  1. ミエ より:

    よくわからないことだらけでいいのかもなぁ。

    わかっと思っても後で変わることよくあるし…
    答えは不変じゃない。
    私の場合…笑

    1. pochiaiko より:

      よく分からないことだらけですよ。
      全部分かったらつまらないですしね♪

      1. ミエ より:

        わからないのを楽しむ余裕が欲しいです。
        私の場合…笑

  2. ミエ より:

    私もプライムで見なおしてみます。(^^)

    1. pochiaiko より:

      ミエさん、当ブログ初のコメントをありがとうございます!
      私も観直してこのブログを書いたんですが、感想をまとめるのが難しい映画なのでこの記事を書くまで自分がどう思っているか分かりませんでした。
      今でもよくわかっていないのかも知れません。笑

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